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『ネアンデルタール人は私たちと交配した』:本人がつづった波乱万丈の回想録

スヴァンテ・ペーボ著、野中香方子訳 (株)文芸春秋発行、2015年この本は、スヴァンテ・ペーボ博士が自ら記した回想記です。数年前に購入して斜め読みしたままだったのを。この機会に改めて読んでみました。スウェーデン生まれのペーボ博士は、もともと考古学に興味があり、大学でエジプト学を専攻したものの、学問の将来性に疑問を感じて、医学部に移りました。父親が医学研究者だったことも影響したようです(なんとプロスタグ...

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ペーボ博士がノーベル賞受賞!!!

今年のノーベル生理学・医学賞の発表にはビックリしました。ネアンデルタール人のゲノムを解読した、あのペーボ博士が受賞したのです!! 授賞理由は、「絶滅した人類のゲノムと人類進化に関する発見」です。当のペーボ博士本人もかなり驚いたようで、はじめは「同僚たちによる手の込んだジョークだと思った」そうです。ノーベル賞が人類進化の分野に贈られるのは今回が初めてなのです。(NHKホームページ 「ノーベル賞2022特別サ...

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ネアンデルタール人の脳と私たちの脳との違い -- ある遺伝子の変異が関係か

今月、科学雑誌Scienceに、ヒトの脳の進化に関して大変興味深い論文が発表されました(参考1)。ドイツのマックスプランク研究所を中心とするチームからの報告で、以前ネアンデルタール人のゲノムの話で紹介したペーボ博士も著者の一人に入っています。ネアンデルタール人と現生人類のゲノムを比べたところ、アミノ酸の変化を伴う変異が96の遺伝子で見つかっていましたが、彼らはこのうち「TKTL1」と呼ばれる遺伝子に注目しました...

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『私の顔はどうしてこうなのか 骨から読み解く日本人のルーツ』

『私の顔はどうしてこうなのか 骨から読み解く日本人のルーツ』溝口優司著 2021年3月 山と渓谷社昨年出版された、ヒトの進化の観点から私たちの「顔」について考察された本です。そもそも動物になぜ「顔」があるかといえば、もともと食物を取り込む「口」が体の前方にあって、その周りに各種のセンサー、つまり光センサー(視覚)や化学センサー(嗅覚・味覚)が発達することによって出来てきたと考えられます。各種センサーに...

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小惑星リュウグウの試料中にアミノ酸

前回に続き、はやぶさ2が持ち帰った小惑星リュウグウの試料の分析結果についてお話します。岡山大学を中心とするグループは、16粒のリュウグウ試料を詳しく調べ、その結果を報告しています(参考1、2)。気になる有機物については、重量にして2-4%ほど含まれていて、アミノ酸23種や、窒素を含む有機物などの物質が含まれていました。そしてその物質の比率は、やはりCIコンドライト(炭素質の隕石)とほぼ一致していました。リュ...

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プロフィール

ドクターS1

Author:ドクターS1
つくば市の内科クリニック副院長。専門は腎臓内科・透析医療。人類遺伝学(遺伝医学)の大学院で博士号取得。

ヒトの進化、特に疾患との関わりについて勉強したことを皆様にわかりやすくご紹介したいと思います。

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